使い方
純資産は、あなたの本当の財務状況を最もシンプルに示す指標です。「保有資産すべて − 負債すべて」で算出します。収入は 1 か月の断面ですが、純資産は長期的な富を追跡し、最終的に老後の生活を支えるのはこちらの数字です。四半期に 1 回ペースで記録するだけで、その推移は単発の給与よりはるかに多くのことを教えてくれます。 資産は実用上 4 つに分けられます。流動性資産(現金、普通預金、MMF — 明日にも使えるお金)、投資資産(証券口座の株式・ETF・債券・投資信託 — 一定のボラティリティを伴いつつ運用中の資産)、老後資産(iDeCo、企業型 DC、確定給付年金、個人年金 — 拘束されているが税制優遇のもとで成長中)、現物資産(時価ベースの住宅、自動車、価値ある収集品)。負債は契約上の支払い義務がある一切のもの:住宅ローン残高、奨学金、自動車ローン、クレジットカード残高、個人ローン、事業・税務上の債務など。重要:負債として計上するのは「住宅ローン残高」であり、住宅価値そのものは反対側の資産として扱います。 実務上の 3 ポイント。(1) 取得価格ではなく現在の時価を使う。3 年前に 30,000 ドルで購入した車は今 18,000 ドル、450,000 ドルで買った住宅が 580,000 ドルになっていることもあります。数値は「今日の現実」を反映するものです。(2) 老後資産と流動性資産は正直に分ける。6 桁の iDeCo を見て安心してしまいがちですが、ペナルティなしには 25 年触れない場合もあります。短期の柔軟性が重要なら、「流動性ベースの純資産(拘束された老後資産を除外)」を別ラインで管理しましょう。(3) 絶対額そのものより推移が重要です。前年同期比で −5,000 ドル → +2,000 ドルへの改善は、絶対値でゼロを超えた瞬間よりずっと有意義なシグナルです。
計算式
すべての項目に「現在の時価」を使ってください(今日の住宅価値、今日のポートフォリオ残高、今日のローン残債)。デフォルトの 5 つの資産ラインは OECD 諸国の家計バランスシートの約 95% をカバーしています。負債側の 4 ラインも同様です。事業持分や暗号資産、その他の有形・無形の資産がある場合は「自動車・その他」の行にまとめて入力してください。
計算例
- 資産:現金 5,000 ドル + 投資 80,000 ドル + 老後資産 120,000 ドル + 住宅 580,000 ドル + 自動車 25,000 ドル = 810,000 ドル。
- 負債:住宅ローン 380,000 ドル + 自動車ローン 18,000 ドル + クレジットカード 4,000 ドル = 402,000 ドル。
- 純資産 = 810,000 ドル − 402,000 ドル = 408,000 ドル。
よくある質問
住宅は購入価格と現在の時価のどちらで入れるべきですか?
現在の時価で、控えめに見積もります。最近の鑑定がなければ、SUUMO や Athome、レインズ・マーケット・インフォメーションなどで類似物件の相場を確認し、売却時の手数料を見越して 5〜10% を差し引いておくと安全です。負債側に入れるのは「現在の住宅ローン残高」であり、当初の借入額ではありません。このやり方なら、住宅の値上がり・値下がりがそのまま純資産に反映され、それこそがこの指標で見たいものです。
どのくらいの頻度で記録すればいいですか?
四半期に 1 回が最もちょうど良い頻度です。毎月は過剰で、家計バランスシートはそんなに早くは変わらず、短期的な相場変動に振り回されてしまいます。年 1 回では問題の早期発見には粗すぎます(2 年悪化に気づかないこともあります)。四半期ごとならノイズを除いてトレンドが捉えられます。毎四半期同じ日(たとえば 3/6/9/12 月の月末)に 15 分で数字を更新し、記録を残しましょう。4〜6 四半期もすれば推移がはっきり見えてきて、絶対額ではなくその推移にこそ実用的な示唆が含まれていることがわかります。
年齢別に見て「良い」純資産はどれくらいですか?
国ごとに大きく異なり、ベンチマークは役立つのと同じくらい誤解も招きます。日本(厚生労働省「国民生活基礎調査」、総務省「全国消費実態調査」):50 代世帯の純資産中央値はおよそ 1,500 万円、60 代でおよそ 1,800 万円。住宅資産が大きな比重を占めます。米国(Federal Reserve SCF 2022):35 歳未満 約 39,000 ドル、35〜44 歳 約 135,000 ドル、55〜64 歳 約 364,000 ドル。これらの数値は住宅保有有無で大きく偏ります。より実用的なベンチマークは「1 年前の自分より進んでいるか?」です — このメトリクスこそが複利的に効いてきます。
配偶者との共有口座や共同資産はどう扱えばいいですか?
有効な方法は 2 つあり、どちらか 1 つに決めて継続するのがコツです。(1) 世帯純資産:共有資産・共有負債を 100% カウントし、各配偶者の個人保有も加算します。世帯全体のバランスシートを表す数値で、夫婦の財務判断は共同でなされることが多いため、多くのパーソナルファイナンス書籍がこちらを推奨します。(2) 個人純資産:共有口座と共有資産は 50%、共有負債も 50% を計上します。あなた個人の取り分を表す数値で、財務を別管理にしている、個人の進捗を追いたい、または万一の関係終了リスクをゼロでないと考えている場合に有用です。正解はありません。ただし、途中で方法を切り替えると推移が歪むため、決めたら継続することが重要です。