使い方
塗料量の見積もりは、結局のところ「正味の壁面積」をどう出すかという話です。部屋の周長に天井高を掛けて壁の総面積を出し、塗らないドアと窓の面積を引きます。それに塗り回数(きれいに仕上げるならほぼ常に 2 回 — 1 回目で下地を覆い、2 回目で色をきめる)を掛け、塗料の塗布面積(カバー率)で割れば、必要なリットル数(またはガロン数)が出ます。
商品によって最もばらつくのが「塗布面積(spreading rate)」です。屋内用の良質な水性塗料なら、すでに塗装済みの平滑な壁で 1 リットルあたり 10〜12 m² 程度を塗れます。素地の石膏、石こうボード、強い色変更(濃色 → 淡色など)では、下地が塗料を吸い、1 回目を厚めに塗る必要があるため、1 リットルあたり 7〜8 m² まで下がります。テクスチャー壁(吹き付け、レンガ、コンクリートブロック)では 1 リットルあたり 5 m² 程度まで落ちることも。缶に書かれている数値はメーカーのラボ条件下の値です — 実際の現場では、隅切り、刷毛塗り、ローラーからの飛散、トレー残りなどで 10〜15% の余裕を見るのが安全で、本ツールの標準カバー率はすでにこの実用余裕を織り込んだ値になっています。
実用上のポイント 3 つ。(1) 計算結果より少し多めに買っておく:途中で塗料が足りなくなって追加調色すると、新しいバッチは微妙に色が違い(調色機もロット間で完全には揃わない)、その境目が斜光で見えます。必ず次の缶単位に切り上げてください。(2) 厚い 1 回より薄い 2 回の方が確実にきれいに仕上がる:均一で不透明な仕上げを作るのは 2 回目の塗装です。1 回目を厚塗りして塗り回数を節約しようとしないこと。(3) 同じ面積でも色によって必要量が大きく変わる:濃色 → 白は 3〜4 回必要なこともあり、白 → 白なら 1 回で済むことも多い。本ツールは「ふつうの色変更 + 2 回塗り」を想定しているため、暗 → 明や強いシミの隠ぺいを行う場合は、塗り回数を 3 回に増やしてください。
計算式
L、W、H はそれぞれ部屋の長さ・幅・天井高です。ドアと窓は差し引く合計面積(m² または ft²)を指定します — 本ツールは標準サイズ(ドア 1 枚 1.8 m²、窓 1 枚 1.4 m²)を使い、枚数だけ調整できます。標準カバー率は 10 m²/L(≈ 400 ft²/gal):すでに塗装済みの平滑な壁に屋内用水性塗料を塗る前提です。テクスチャー壁や吸い込みの強い下地では下げてください。標準缶サイズは 5 L(欧州)と 1 US ガロン(3.785 L)で、両方の缶数を表示します。
計算例
- 寝室:4 m × 3 m × 天井高 2.5 m、ドア 1 枚と窓 2 枚、塗り 2 回。
- 壁面積 = 2 × (4 + 3) × 2.5 = 35 m²。1 × 1.8 + 2 × 1.4 = 4.6 m² を引いて、正味 30.4 m²。
- 塗装総面積 = 30.4 × 2 回 = 60.8 m²。10 m²/L で割って、約 6.1 リットル必要。
- 切り上げて 5 L 缶 × 2 缶(10 L)— 補修用の余裕も確保できます。
よくある質問
実際に何回塗ればいい?
ほとんどの場合は 2 回で十分です。1 回目は下地を封じて全体を覆う役割、2 回目で均一な不透明仕上げになります — 1 回目のローラーの圧力ムラは 2 回目で相殺されます。1 回で済ませて良いのは「同色の塗り替え」かつ「下地が清浄で傷んでいない」場合のみ(例:賃貸物件で全く同じ塗料を上塗りするなど)。逆に、暗 → 明への色替え、強いシミの隠ぺい、部分プライマー処理した補修箇所の上塗りでは 3 回塗りに増やしてください — これらの場所は吸い込みが違うため、2 回塗りでも下が透けます。「薄く 2 回」を「厚く 1 回」に省略しないこと。厚塗りは垂れる、乾きムラが出る、表面張力で微小なゆず肌になり、近距離で見るとかえってかえって悪い見栄えになります。
天井も含めるべき?
天井も塗る場合のみ含めてください — そして、ほとんどの場合は別の缶を使います。天井用塗料は別配合(艶消しが強く、垂れにくく、頭上ローラー塗装向け)で、通常は白。一方、壁は色付きが多いためです。同じ塗料で両方塗る場合は、天井面積(長さ × 幅)を壁の合計に足してからカバー率で割ってください。本ツールは標準で「壁のみ」で計算しますが、これが最も一般的なケースです。注意点:屋根勾配や勾配天井の場合、実際の表面積は床面積より広くなります — 床の面積ではなく、勾配に沿った実長で計測しないと、買い不足になります。
「カバー率」とは何で、どの値を使うべき?
「カバー率(spreading rate)」とは、塗料 1 単位(1 リットルや 1 ガロン)で塗れる面積のことです — 通常は m²/L または ft²/gal で表示されます。缶に書かれている数値はメーカーが理想条件(平滑な下地、適切なプライマー処理、推奨膜厚)で測定した値で、現場ではここから 10〜20% 低くなるのが普通です。理由は、隅切りは刷毛塗りでローラーより消費が多く、垂れがあり、トレーに残り、実際の壁は完璧に平滑ではないためです。本ツールの標準値は 10 m²/L(≈ 400 ft²/gal)で、屋内用水性塗料を塗装済みの平滑な壁に塗る前提では現実的な値です。素地の石こうボード、新しい石膏、強い色変更では 7〜8 m²/L に下げてください。テクスチャー壁(吹き付け、レンガ、外壁の石)や吸い込みの強い木材では 4〜6 m²/L まで下げます。特殊塗料(油性ペイント、外装サテン、ラジエーター用など)はカバー率が大きく違うので、缶の表示を確認して標準値を上書きしてください。
どれくらい多めに買えばいい?
次の缶単位に切り上げてください — 境界に近い場合は、大きい缶サイズを選ぶのがおすすめです。理由は 2 つ。(1) 補修用:塗装後数か月のうちに、こすり傷、額縁の穴、子供の手形などを「同じバッチの塗料」で直したくなることがあります — 新しい缶で色合わせをしても完全には合いません(調色機はロット間で微妙に違い、また塗料は壁の上で時間とともに微妙に色が変化するため)。500 ml 程度を未開封で保管しておくと、何年にもわたって本当に役に立ちます。(2) 途中で足りなくなる:壁の途中で塗料が切れると、追加調色は微妙に色が違い、その境目が斜光で目立ちます。さらに、買い足しに 30 分以上ロスします。どちらも 1 缶余分に買う費用よりずっと痛い損失です。実用ルール:計算結果より 10〜20% 多めを目安に、次の流通缶サイズに切り上げてください。