使い方
石こうボード(gypsum board/plasterboard/drywall/sheetrock/plâtre cartonné/プラスターボード — 国によって呼び方が変わる)は、地域ごとに異なる標準サイズで流通しています。北米住宅の標準は 4 × 8 ft(1.22 × 2.44 m)。商業大型ではジョイント数を減らすため 4 × 10、4 × 12 も使われます。欧州は 1.2 × 2.4 m、1.2 × 2.5 m、1.2 × 3.0 m が一般的。日本では 910 × 1820 mm、910 × 2420 mm が主流。厚さは一般壁で 12.5 mm、耐火・天井で 15 mm、曲面や薄塗りで 6.5 mm。計算は床材や塗料と同じ:壁面積を出し、ドア・窓を差し引き、ボード 1 枚の面積で割り、損失余裕を加算します。
石こうボードの損失余裕は無視できません。標準の 10% で、隅切り、コンセント・スイッチまわり、窓・ドア周辺、不可避の切り間違いをカバー。切り欠きが多い部屋(キッチン、浴室、造作家具のある部屋)では 15% に増やします。新築で長方形のシンプルな部屋なら 5〜7% まで下げられることも。横貼り(板の長手を水平方向)の方が、垂直方向の目地が 1 壁あたり 1 本(または不要)になり、目地処理(テーピング・パテ)が早く終わり、壁の強度も上がるため、多くのプロは横貼りを選びます。縦貼りは天井が高い壁で材料ロスは少ないものの、目地処理に時間がかかります。
実用上のポイント 3 つ。(1) ボード本体以外に、ビス(90 m² あたり粗目ビス 25 mm/35 mm を約 2 kg)、継ぎ目処理材(パテ、約 8〜10 枚あたり練り済みパテ 1 缶 — DIY ではプラスチック缶入りの All-Purpose mud が標準)、ジョイントテープ(通常はペーパーテープ、90 m² あたり約 75 m)が必要です。本ツールはボード枚数を返し、これらの副資材は枚数に比例してスケールします。(2) 設計図のサイズを鵜呑みにせず、必ず実測してください — 直角の出ていない隅、たわんだ間柱は珍しくなく、4 m の壁が実測 3.95 m や 4.03 m ということもよくあります。材料見積もり用には実測値を半メートル単位(または 0.5 m 単位)で切り上げ。(3) 天井の場合、ジョイントが垂木や下地材の真上に来るように割付してください — 部材の中央でジョイントを処理するのは避けます。通常はボードの長手方向を垂木に直交させる配置になり、本ツールはそれを前提にしています。
計算式
L、W、H はそれぞれ部屋の長さ、幅、天井高。ドア 1 枚 1.8 m²、窓 1 枚 1.4 m² を既定値(詳細モードで変更可)として使用します。ボード寸法の既定値は 4 × 8 ft(1.22 × 2.44 m)で、任意のサイズも入力可能。「天井を含む」を有効にすると「長さ × 幅」を正味面積に加算します。損失余裕は「面積」に対して適用し、その後で「ボードの枚数」に切り上げるため、端数枚は上方丸めされます。
計算例
- 12 ft × 10 ft × 8 ft の部屋、ドア 1、窓 2、天井を含む、4 × 8 ボード、損失余裕 10%。
- 壁面積 = 2 × (12+10) × 8 = 352 ft²。1×19 + 2×15 = 49 を引き、壁の正味 303 ft²。
- 天井 12 × 10 = 120 ft² を加え、合計 423 ft²。損失余裕 10% で 465 ft²。
- 枚数 = ceil(465 / 32) = ceil(14.5) = 15 枚。
よくある質問
天井も含めるべき?
天井にも石こうボードを貼るなら必ず含めてください — 部屋単位の改修ではほぼ必須で、後から天井だけ貼り増すのはコスト・手間ともに大幅に高くつきます。計算式は単純:天井面積 = 長さ × 幅、これを正味壁面積に加算するだけ。天井施工は壁より重労働(重力が味方しない)で、現代の建築では耐火基準のため 15 mm 厚の使用が一般的 — 地域の規制で必要な厚みが変わるので必ず確認を。勾配天井や屋根勾配のある天井は床面積より実際の表面積が大きくなります — 床面積ではなく勾配に沿った実長で計測しないと買い不足になります。本ツールは「天井を含む」をオンにすると、自動的に天井面積を加算します。
ビスは何本、継ぎ目処理材はどれくらい必要?
90 m² の石こうボードに対する目安:粗目ビス 25 mm または 35 mm を ≈ 2 kg(約 600〜700 本)、All-Purpose の練り済みパテ 20 L 缶 1 本、ペーパーテープ/ファイバーグラスメッシュテープ ≈ 75 m。ビスのピッチは間柱中央で約 18 cm、端部で約 30 cm。20 L 缶 1 本は「テーピング下地塗り」と「2 度塗り」までを賄える量で、見栄え重視の仕上げでは 3 度塗り(topping コート)が標準で、その場合パテ消費はほぼ倍になります。天井や耐火構成では 35 mm ビスに切替え、地域の建築基準が特定仕様のパテ(Type X 構成では指定パテが必要な場合あり)を要求していないか確認を。
横貼りと縦貼り、どちらが良い?
現代の住宅施工では「ほぼ常に横貼り」が推奨されます。ボードの長手を水平に向けて貼ると、目地処理(テーピング・パテ)が必要なジョイントの総延長が短くなります(通常、1 壁あたり横長の継ぎ目 1 本のみ、縦の継ぎ目は不要または最小限)。さらに継ぎ目位置が床から約 1.2 m(2.4 m 高の壁の場合)と作業しやすい高さに落ち、フェザリング(端部のなじませ)やサンディングが楽になります。横貼りは間柱を「橋渡し」する形になり、壁の面剛性(racking 抵抗)も上がります。縦貼りが適するのは、(a) 非常に高い壁(2.4 m を超え、横貼りでは上下に細い変則ストリップが残る場合)、(b) 1 人作業(縦貼りなら端 1 つを順に上げるだけで済むため、ソロ施工しやすい)。商業施工や耐火構成では、認定試験の貼り方(横/縦/いずれも可)に従う必要があります — UL の耐火認定は横貼り限定や縦貼り限定など明示しているケースが多いので必ず確認を。