理想体重計算機

理想体重に関する4つの古典的な式(Devine/Robinson/Miller/Hamwi)を比較します。

使い方

「理想体重」に唯一の正解はなく、臨床で広く使われる代表的な式が4つあります。いずれも1960〜1980年代に成人の薬剤投与量算定のために考案されたもので、身長5フィート(60インチ)時点の基準体重に対して、1インチ増えるごとに一定量を加算する形です。結果は概ね±5kg以内に収まり、Millerが最も軽く、Hamwiが最も重い傾向があります。これらは薬剤投与の指標であり美容目標ではありません。健康面で体型を計画するなら、BMI 18.5〜24.9 の範囲、または体脂肪率計算機の方がより直接的な指標になります。

計算式

Devine(1974年):男 = 50.0 + 2.3·(h − 60)、女 = 45.5 + 2.3·(h − 60) Robinson(1983年):男 = 52.0 + 1.9·(h − 60)、女 = 49.0 + 1.7·(h − 60) Miller(1983年):男 = 56.2 + 1.41·(h − 60)、女 = 53.1 + 1.36·(h − 60) Hamwi(1964年):男 = 48.0 + 2.7·(h − 60)、女 = 45.5 + 2.2·(h − 60) h = 身長(インチ)、結果は kg。

4式とも基準点を5フィート(60インチ)に置き、それを超える分は1インチごとに一定量を加える線形モデルです。60インチを基準にしているのは、これらの式が米国の臨床集団からインチ単位で導出された経緯があるためで、センチメートルで書き直しても係数がきれいになるわけではありません。5フィート未満の場合、(h − 60) は負の値となり、式は「クラッシュせずに小さい体重を返す」設計になっています。これは小児や低身長の薬剤投与で重要な性質です。

計算例

  • 男性、身長178 cm = 70 in。
  • h − 60 = 10。Devine:50 + 2.3 × 10 = 73 kg、Robinson:52 + 1.9 × 10 = 71 kg。
  • Miller:56.2 + 1.41 × 10 ≈ 70.3 kg、Hamwi:48 + 2.7 × 10 = 75 kg。
  • 平均 ≈ 72.3 kg。最低(Miller)と最高(Hamwi)で約5 kg の差。

よくある質問

4つの式のうち、どれを信用すれば良いですか?

平均を使うのがおすすめです。各式には傾向の癖があり(Hamwiは高身長者で高めに出やすく、Millerは低めに出やすい)、平均にすればそれが平準化され、いずれの式に対しても数kg差に収まります。薬剤投与の場面では再現性のために病院ごとに使う式を一つに固定していることが多く(最も一般的なのはDevine)、医師から具体的な値を求められた場合はどの式を使うか必ず指定されます。

「理想体重」を目標にすべきですか?

体型・体組成の目標としては、あまり適していません。これらの式は薬剤投与のために作られたもので、筋肉量、骨格の大きさ、脂肪の付き方は考慮されていません。例えば身長178 cm、体重90 kgのラグビー選手は、式が示す73 kgを大幅に超えていますが、体脂肪率12%で十分健康なケースもあります。体型を計画するならBMI(成人の多くで18.5〜24.9 が健康範囲)の方が有用で、体組成については体脂肪率計算機の方がより直接的な指標になります。

なぜ性別によって式の係数が違うのですか?

同じ身長でも平均的な除脂肪量が異なるためです。元論文では男女別の臨床集団から個別に係数が導かれており、結果として同じ身長でも女性の理想体重は4式すべてで数kg低く出ます。男女差の大きさは式によって異なり、Robinsonが最も差が大きく、Devineは1インチあたりの傾きが男女同じになっています。インターセックスやトランスジェンダーの方への薬剤投与で精度が必要な場合、DEXAで実測した除脂肪量を用いるのが現代のガイドラインの推奨です。

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