使い方
ペースとは、距離1単位を進むのにかかる時間のことで、通常は1キロあたりの分(min/km)または1マイルあたりの分(min/mi)で表します。ランナーが負荷を表すときの標準的な指標で、速度とは違い「あるレース距離にかかる時間」と直結する利点があります。たとえば 5:00/km なら、装備や路面に関係なく10kmを50分で走り切る計算になります。本ツールは {ペース、時間、距離} のうち入力していないものを、残り2つから自動的に算出します。単位切替で min/km ↔ min/mi をきれいに変換でき(1マイル ≒ 1.609km)、速度の行には同じ強度を km/h と mph の両方で表示するため、自転車やトレッドミルの表示とも比較できます。レース距離プリセット欄は、現在のペースに基づき5K・10K・ハーフ(21.0975km)・フル(42.195km)の予想タイムを表示します。
計算式
ペースは距離1単位あたりの分(または秒)で表します。時間は経過した合計時間、距離はペースと同じ単位を使います。kmと min/mi を混在させると正しくならないため、単位切替ボタンで揃えてください。フルマラソンの距離はIAAF規則により 42.195km(26.2188マイル)と決まっており、ハーフはちょうどその半分です。
計算例
- 距離:10km、時間:0:50:00。ペースを求める。
- ペース = 50分 ÷ 10km = 5:00 /km。
- min/mi に変換:5:00 × 1.609 = 8:03 /mi。
- 速度:60 ÷ 5 = 12km/h ≒ 7.46mph。
- 5:00/km を維持した場合の予想フルマラソンタイム = 5:00 × 42.195 = 3:30:58。
よくある質問
自転車やウォーキングにも使えますか?
使えます。等強度のスポーツであれば計算は同じです。サイクリストは min/km よりも km/h や mph で考えることが多いので、結果欄の速度行に両方を表示しています。ウォーキングはランナーと同じ min/km の考え方が使え、速歩のペースは 12:00〜14:00/km 程度。オープンウォーターのスイマーやローイングでは min/100m や 500m スプリットを使うことがあり、本ツールは直接対応していませんが、距離を km の代わりに「100m単位」と読み替えて入力すれば代用できます。
ペースから予測されるフルマラソンタイムはどの程度正確ですか?
現在のペースをフルレース距離でも維持できる、という前提のため、やや甘めの数字です。実際には長距離になるほど多くの人がペースダウンし、特に2時間を超えたあたりからは補給や筋グリコーゲンの枯渇が制限要因になります。よく使われるのが Riegel の式 T₂ = T₁ × (D₂/D₁)^1.06 です。これに従うと、10km を50分で走れる人のフルマラソン予想は約3:48となり、3:30ではありません。本ツールの線形外挿は「すべてうまく行った場合の上限値」と捉え、90分を超えるレースでは少なくとも 5〜10% は差し引いて見るのが妥当です。
min/km を min/mi に変換すると数値が直感に反するのはなぜですか?
1マイルは1kmより長いため、同じ強度でもマイル当たりのペース表示は km 当たりより必ず大きな数値(=遅く見える数字)になります。換算係数は 1.609344 km/マイル なので、5:00/km は 5 × 1.609 = 8.046分 ≒ 8:03/mi。逆数(0.621)を掛けてしまうと中途半端な値になります。「kmからマイルへ変換するときは数字が大きくなる」と覚えると間違えません。
いつも同じペースで走るべきですか?それとも変化をつけるべき?
コーチの作る練習メニューはほぼ必ずペースを変えています。古典的な配分は「80/20」と呼ばれるもので、週の練習量の約80%を会話できるくらいの楽なペース(閾値より十分下)、約20%を高強度(インターバル、テンポ走、レースペース走)で行います。毎回同じ「ちょい強め」のペースで走るとすぐに頭打ちになり、有酸素ベースも上限も伸びにくいためです。本ツールで各練習のペースを決め、サイト内の心拍ゾーン計算機と組み合わせて、楽な日が本当に楽な強度になっているかを確認するのがおすすめです。