使い方
TDEE(Total Daily Energy Expenditure、1 日の総消費カロリー)は、エビデンスに基づく栄養管理ですべての出発点になる数値です。基礎代謝(生命維持に使われるエネルギー)と活動量(デスクワークから運動まで)を合計した、典型的な 1 日に身体が実際に消費するカロリー。TDEE と同じだけ食べれば体重はほぼ維持、下回れば減量(脂肪 1 ポンド ≈ 3,500 kcal の赤字)、上回れば増量。失敗するダイエットの大半は、この数値をスキップして「だいたい 2,000 kcal/日」という汎用値を仮定するため失敗します — それは座位中心で身長 162 cm の女性にはほぼ正しく、活動的で身長 183 cm の男性には 800 kcal ほど足りません。
本ツールは BMR の計算に Mifflin-St Jeor 式を使用(一般成人ではよく使われる式の中で最も正確で、Harris-Benedict より精度が高く、体脂肪率がわからない場合は Katch-McArdle とほぼ同等)、その上で活動係数を掛けます:1.2「座位中心」(事務職、運動なし)、1.375「軽度」(週 1〜3 日運動)、1.55「中程度」(週 3〜5 日)、1.725「高度」(週 6〜7 日の高強度)、1.9「超高度」(肉体労働+毎日運動)。事務職の多くは正直なところ 1.2〜1.55 のどこか — 1 日中座っているなら下限寄り、本当に週数回しっかり運動しているなら上限寄りを選びます。
実用上のポイント 3 つ。(1) これは「推定値」であり「実測値」ではありません。Mifflin 式は一般集団で ±10% 程度の精度、活動係数はそれよりさらに荒い概算で、実際の TDEE は計算値より ±200〜300 kcal 上下することもあります。正しい使い方は「出発点」として扱い、2〜3 週間その量で食べて、定期的に体重を測り、想定どおりに動かなければ 100〜150 kcal 単位で調整すること。(2) 活動係数は二重計算になりがちです。Garmin・Apple Watch の「アクティブカロリー」を別途加算しているのに、活動係数で「高度」も選んでいる人は、トレーニング分を二重カウントしている可能性が高い — どちらか一方を採用してください。(3) 減量目標としては 1 日 500 kcal の赤字(週 ≈ 0.5 kg)が伝統的な安全推奨ライン — 持続可能で、筋量を保ち、代謝の急落も招きません。「積極的」な 1,000 kcal/日の赤字プリセットは短期的には機能しますが、数週間以上続けると筋量損失と代謝適応を引き起こすため、医療管理下の文脈にとどめてください。
計算式
体重は kg、身長は cm、年齢は歳。Mifflin-St Jeor 式は BMR(kcal/日)を返します。活動係数:1.2 座位中心、1.375 軽度、1.55 中程度、1.725 高度、1.9 超高度。目標調整は結果側で加算します — 一般的な値:0(維持)、−500(≈ 0.5 kg/週減)、−1000(≈ 1 kg/週減、積極的)、+250〜500(リーンバルク)。ヤード・ポンド法の入力は内部で メートル法 に変換するため、上の式はそのまま適用されます。
計算例
- 男性、30 歳、75 kg、175 cm、中程度の活動量。
- BMR = 10 × 75 + 6.25 × 175 − 5 × 30 + 5 = 750 + 1093.75 − 150 + 5 = 1699 kcal/日。
- TDEE = 1699 × 1.55 = 2633 kcal/日。週 ≈ 0.5 kg 減を狙うなら 1 日 ≈ 2133 kcal で食事。
よくある質問
どの活動レベルを選べばいい?
思っているより一段控えめに評価してください。座位中心(1.2)は本当に座位中心の日 — デスクワークと車までの短い徒歩のみ。軽度(1.375)は週 1〜3 回運動する人の大半に当てはまります(その運動が「きつく感じても」軽度です)。中程度(1.55)は週 3〜5 回の高強度トレーニングに加えて毎日 8,000 歩以上歩いている場合。高度(1.725)は週 6〜7 回の高強度トレーニング、もしくは肉体労働。超高度(1.9)はエリートアスリートか、肉体労働+毎日トレーニングの両方を行う人だけ。現実的な傾向として、「自分は中程度」と思っている人の大半は実際には「軽度」です(活動量計で見るとほぼ常にそう)。TDEE × 活動係数の予想どおりに体重が動かなければ、1 段下げてみてください。
この数値の精度はどれくらい?
Mifflin-St Jeor は一般成人で ±10% の精度 — 実際の TDEE は計算値より 200〜300 kcal 上下することがあります。活動係数はさらに不確かで、「中程度に活動的」が人によって違うものを意味するためです。正しい使い方は「出発点」として扱うこと:計算した TDEE で 2〜3 週間食べ、週 3〜5 回体重を測って平均を取り、想定どおりに動かなければ 100〜150 kcal 単位で調整。1〜2 サイクル調整すれば、どの公式よりも正確な「あなた専用の TDEE」が手に入ります。体脂肪率が極端に低い/高い人(コンペティション・ボディビルダー、重度肥満など)は Mifflin の精度が落ちるため、信頼できる体脂肪測定があれば Katch-McArdle 式(除脂肪体重を使う式)の方が向いています。
休養日も TDEE 通りに食べるべき?
ほとんどの目標ではイエスです。本ツールの TDEE は「週平均」で、典型的なトレーニング日と休養日のミックスをすでに織り込んでいます — 毎日同じ量を食べれば、想定どおりの週単位の結果が得られます。「カロリーサイクリング」(トレーニング日は多く、休養日は少なく)は、リズムが好きならばら、運動前後に食事を寄せたいなら、有効なアプローチですが、体組成に効くのは「週合計」。例外は、週ごとにトレーニング負荷が大きく変動する場合(重量週 → ディロード週など):その場合は週ごとに異なる活動ブラケットを選ぶか、低めのフラット値にして重量週は進捗が遅くなることを許容してください。
BMR や「必要カロリー」計算機との違いは?
BMR(基礎代謝量)は最初のステップに過ぎず、「完全に安静で動かない状態」で消費するカロリーのこと。TDEE は BMR に活動量を加えたもので、これが「体重を維持するために実際に食べるべきカロリー」です。多くの「必要カロリー計算機」は名前は違っても TDEE を計算しています。両者の差は大きく、30 歳男性で BMR ≈ 1,700 kcal の場合、TDEE は 2,100(座位中心)、2,350(軽度)、2,900+(高度)と振れ幅があります。「BMR を維持カロリーだと勘違いして食べる」のは、過小摂取・筋量損失・停滞の典型的な原因です。食事プランニングには必ず TDEE を使ってください — BMR は学術的な参考値にとどめましょう。