使い方
個人のカーボンフットプリントは限界も知られているものの有用なフレームです。本ツールは家計の上位 4 寄与 — 自動車、飛行機、世帯電力、食生活 — を扱い、先進国の個人の直接排出のうち約 60〜80% を占めます。残り 20〜40% は工業製品(スマホ、衣類、家具)、サービス(銀行、通信、専門サービス)、公共部門の按分(道路、学校、防衛)で、正確な割当てが困難。
西側成人の典型的影響度順:(1) **長距離便** — 大西洋往復で約 1.5〜2 トン CO₂。年 2 便の長距離をやめるほうがビーガンより効果大。(2) **自動車** — 7 L/100km の車を年 15,000 km で約 2.4 t。クリーン電源の EV なら 50〜70% 削減。(3) **食生活** — 大量肉食(牛肉週数回)は平均的混合食より年約 3 t 多く、ビーガンで約 1.5 t 節約。(4) **世帯エネルギー** — 電源ミックスで激変。石炭中心の電源で 4,000 kWh は 2 t、水力/原子力で 0.1 t。
注意点:(a)「個人のフットプリント」というフレームは批判もある — 2004 年に BP が責任を石油会社から個人へ転嫁する目的で広めた。本物の脱炭素はシステム変革(電源、交通、産業)が必要。(b) オフセットは概ね信頼性に乏しく、消費削減のほうが優位。(c) 数値は平均値 — 個別の車、便、食生活で大きく変動。最初に動かすレバーを決める方向性指標として使い、精密会計には用いないこと。
計算式
自動車係数 2.31 kg/L はガソリン、ディーゼルは ~2.68。フライト係数はエコノミー席の ICAO 範囲、ビジネス/ファーストは 2〜3 倍。電力係数 0.4 kg/kWh は世界平均 — 範囲は 0.05(ノルウェー水力)〜 0.9(ポーランド、インドの石炭中心)。正確性が必要なら自国の電源強度を確認。
計算例
- 年 12,000 km、7 L/100km の車、短距離 1 便、長距離 1 便、3,500 kWh、平均食。
- 車:12,000 × 0.07 × 2.31 = 1,940 kg。便:250 + 1,500 = 1,750 kg。電力:3,500 × 0.4 = 1,400 kg。食事:0。合計 ≈ 5.1 t — 世界平均をやや上回る。
よくある質問
個人行動と社会的変革の比較は?
両方重要 — 役割が違うだけ。個人削減は総排出の 25〜30% 程度を担い、残りは電源脱炭素、産業効率化、政策変更で個人の選択では届きません。個人が持つ最大の *システム* レバーは投票と政治的圧力。最大の *個人* レバーは本ツールの 4 項目 — 飛行機、自動車、食事、電力。両方やるのが当たり前で、二者択一の枠組みが罠。
カーボンオフセットの購入は価値ある?
ほとんどの場合いいえ、まれな例外あり。主要なボランタリー・オフセット制度(林業、REDD+)の調査では、大半が実際の削減量より多くクレジットを発行 — 5〜10 倍の過剰発行も。信頼できるカテゴリ:直接大気回収/鉱物化(高価、~200 ドル/t 以上)、検証済みのクリーンクックストーブ配布、永続性保証付きの高品質植林。必要なら Gold Standard か Verra Verified Gold プロジェクトを 30〜100 ドル/t で(5 ドル/t は怪しい)。それでも削減そのもののほうが確実。
この計算機の精度は?
対象 4 カテゴリで ±25〜35% 程度、消費財・サービス・公共按分は含まずに。誤差源:自国の電源ミックス、自分の車の実走行燃費 vs カタログ値、利用航空会社の機材/搭乗率、食生活の具体パターン vs ラベル。これ以上の精度には 30 問以上の国別ツールが必要。方向性の指針としては有効。精度が要るなら自国の電源強度と実燃費を調べて手計算で再実行。