使い方
時給を年収に換算するのは、一見すると 1 行の掛け算に思えますが、実際の雇用条件は驚くほど複雑です。素朴な式(時給 × 週 40 時間 × 52 週間)は「時給 2,500 円なら年収 約 520 万円」という見出しの目安を出すだけで、答えを大きく変える 3 つの要素を見落とします — 実際に週何時間働くか、年間で実際に何週間働くか(有給休暇 vs 無給休暇 vs 祝日)、そして閾値を超えた時に時間外手当が出るかどうか。本ツールはこの 3 つに対応するので、年収の数字は税引前の実際の総支給額を反映します。
有給休暇か無給休暇かが、最大の混乱要因です。月給制で有給休暇付きなら、52 週間すべてが「支払われている」状態 — そのうち何週間か働かないだけ。時給制で休暇が無給(フリーランスや米国のサービス業従事者に多い)なら、休む週は無収入の週になるので、倍率は 50 週間(2 週無給)や 48 週間(4 週無給)に下がります。「2,500 円/h × 52 週」(5,200,000 円)と「2,500 円/h × 48 週」(4,800,000 円)の差は、年間 40 万円という実質的な金額であり、休暇が有給か否かに完全に依存します。「年間労働週数」フィールドには、実際に勤務扱いで給与が出る予定の週数を入力してください。
もう一つのひねりが残業手当です。米国(およびその他多くの法域)では、非適用除外従業員に対し週 40 時間を超えた分は 1.5 倍の時給が支払われます(連邦 FLSA 基準;一部の州は日次基準も併用)。通常週 45 時間勤務なら、40 時間 × 時給 + 5 時間 × 時給 × 1.5 となり、45 時間 × 時給 ではありません。本ツールは残業倍率と閾値を設定すると自動で適用します。米国の適用除外従業員には残業手当が出ないので、その場合は倍率を 1.0 のままにしてください。米国外では各国の労働法を確認してください — 規則は大きく異なります(EU は割増を義務付ける代わりに週労働時間に上限を設ける;英国に法定の残業割増はなく、多くは契約で個別に定める)。
計算式
時給 は基本時給。週労働時間 は残業を含む週あたり総予定時間。年間労働週数 は実際に給与が支払われる週数(有給休暇付きの正社員なら 50〜52 週、4 週間無給で休むなら 48 週が典型)。残業倍率 は残業割増(米国連邦基準では 1.5 倍、残業手当が出ない場合は 1.0)。残業閾値 はそれを超えると残業扱いになる週労働時間(米国 FLSA では 40 時間)。
計算例
- 労働者の時給は 25 ドル。週 40 時間、年間 50 週(2 週間無給)勤務。残業なし。週労働時間(40)が残業閾値(40)と同じなので、すべて基本給扱い。
- 基本年収 = 25 × 40 × 50 = 50,000 ドル。残業なしなので、年収合計 = 50,000 ドル。
- 月給 = 50,000 ÷ 12 = 4,167 ドル。週給 = 50,000 ÷ 50 = 1,000 ドル。日給(週 5 日)= 1,000 ÷ 5 = 200 ドル。
- 同じ労働者が週 45 時間勤務、40 時間超の残業を 1.5 倍で計算する場合:基本 = 25 × 40 × 50 = 50,000 ドル;残業 = 25 × 1.5 × 5 × 50 = 9,375 ドル;合計 = 59,375 ドル。この時給では、週 5 時間の残業は年間 9,375 ドルの価値。
よくある質問
デフォルトで 52 週間になっているのはなぜ?
暦年は 52 週間です(厳密には 52.143 週)。有給休暇付きの正社員(休暇、病欠、祝日)の場合、有給休暇によって不在中も給与が継続するため、52 週間すべてが「支払われている」状態。有給休暇のない時給制の場合、実際に勤務扱いで給与が出る予定の週数に設定してください — 2 週無給なら 50、4 週無給なら 48。フリーランスや個人事業主は、休暇・病気・閑散期の余裕として 48 週を計画の基準にすることが多いです。普遍的に正しい数字はなく、あなたの雇用条件次第です。
これは額面ですか、手取りですか?
額面(税引前)です — 雇用主が控除前にあなたに支払う金額。所得税、社会保険料(日本の健康保険・厚生年金・雇用保険、米国の Social Security と Medicare、英国の NI など)、退職金制度(401k、年金)、健康保険料その他の控除がここから引かれて手取り額になります。手取りは国・自治体・控除・税率区分により額面の 65〜80% 程度が一般的。手取りの試算には、所在国の税額表を考慮した給与計算ツールを使ってください。
年収→時給の換算とどう違いますか?
逆方向の換算です。このツールは時給→年収:あなたの時給がわかっていて、年間の総収入を試算したい場合に使います。年収→時給の方は、提示された年収(通常は求人内容)から逆算して時給相当額を出し、勤務時間の異なる求人を比較するために使います。計算式は同じで、未知数が入れ替わるだけ。両方のツールは休暇と残業を同じロジックで扱います — 年収→時給では通常 52 週すべてが有給扱い(正社員には有給休暇が含まれるため)と仮定し、年収 ÷ (52 × 週時間) で時給相当額を出します。